報恩講法要は、浄土真宗の宗祖親鸞聖人の恩徳を讃え報謝する、浄土真宗にとって最も大切な法要です。
本山本願寺では聖人の御命日である1月16日を最終日として7昼夜にわたって盛大に法要が執り行われます。
私たち一般寺院の報恩講は前もっていとなむ(お引上、お取越などともいう)ため、10月〜11月に行われる場合が多いです。
光福寺の報恩講は長年、11月13日〜14日の2日間、逮夜、初夜、晨朝、日中などの法要や勤行を行なってきました。昨年(令和2年)コロナ禍の中、開催できるのか、開催するならばどのようにするのかという問題に直面し、1日1座に限って法要を行う、おとき(食事)作りや参詣者そろっての会食は行わない、開放して換気のできる気候のよい時期に行うということで10月3日に開催日を移して実施しています。
ということで今年も10月3日、快晴、気温28℃と大変恵まれた気候の中、報恩講の日を迎えました。
左右一対の仏華と蝋燭(五具足)や打敷に飾られた内陣は報恩講の日だけの風景です。
また、報恩講の日だけ登場するのが右余間(向かって左側)に懸かっている「御絵伝」です。
本願寺第三代覚如上人が1295年、親鸞聖人の遺徳を讃仰するために記述された詞書と図絵からなる絵巻物が後に詞書と図絵に分けられ、図絵は「御絵伝」として四幅の掛け軸として掲げられるようになりました。
午後1時20分より、おとき(会食)に代わるお楽しみとして演芸会を取り入れました。今年は落語家の立川談洲さんに落語を披露していただきました。完全にパーティションで仕切ってあり、ご本人にはやりにくいところがあったと思いますが、皆さんは前のめりで聴き入っておられました。
午後2時より1座限りの報恩講法要は、光福寺住職が「報恩講作法」をおつとめしました。
午後2時50分から池内瑞雄師に布教(法話)をいただき、午後4時終了です。
まだまだ先の見通せない状況が続くと思われます。できること、できる形を模索しながらこのコロナの時代を乗り越えていきたいと思います。